『葵上』を鑑賞する

  1. 『葵上』
  2. 『葵上』を鑑賞する
  3. 鑑賞のポイント
  4. その三 激しい思いの吐露
  5. 後妻打ち

その三 激しい思いの吐露

後妻打ち(うわなりうち)

能(喜多流)『葵上』

能(喜多流)『葵上』
平成12年 3月 11日 国立能楽堂
〔シテ〕塩津哲生

葵上を打ちすえようとする六条御息所の生霊のふるまいを、『葵上』では「後妻打ち」と表現しています。そもそも後妻打ちとは、前妻が後妻に嫉妬をして、その恨みを晴らすために、親しい女性を集め集団となって後妻の家を襲うという風習です。この風習は単なる暴力ではなく、前妻にとっては夫婦別離のための、後妻には正妻におさまるための契機となるもので、社会的にも認められている行為でした。


このような後妻打ちに、『葵上』の源氏の正妻である葵上と愛人の御息所の関係を、そのまま当てはめることはできません。しかし、愛する人に捨てられる者の恨みの深さは、前妻と御息所の間で共通するところがあるのかもしれません。

能(喜多流)『葵上』 平成12年3月11日 国立能楽堂 〔シテ〕塩津哲生

能(喜多流)『葵上』 平成12年3月11日 国立能楽堂 〔シテ〕塩津哲生

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