『葵上』を鑑賞する

  1. 『葵上』
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前シテ・六条御息所の生霊

縫箔 唐織 鬼扇 泥眼 鱗摺箔

縫箔(ぬいはく)

無地の平絹(ひらぎぬ)や繻子(しゅす)に色糸でさまざまな模様を刺繍(ししゅう)したり、箔をおいた小袖で、着付(きつけ)[内側に着る衣装]の一種です。
両袖を腰に巻きつけるように着る、腰巻(こしまき)という方法で着付けることが多く、『葵上』の前シテでは唐織(からおり)の下に腰巻にして着ています。
黒地に丸紋尽(まるもんづくし)の柄の縫箔は、『葵上』や『道成寺』など女の鬼の能に用います。

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唐織(からおり)

金銀の糸をふんだんに織り込み、風景や自然物などの模様を刺繍(ししゅう)のように織り出した小袖で、能の装束の中でも最も豪華なものです。
女性の役全般の上着(うわぎ)[いちばん上に着る衣装]に用いますが、男性の役の着付(きつけ)[ 内側に着る衣装 ]に用いることもあります。

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鬼扇(おにおうぎ)

赤地に大きな一輪の牡丹が描かれている扇は、鬼神が牡丹の花を好むことから、鬼の能に用いられます。
主に観世流で般若面を着ける能『道成寺』『葵上』でシテが用いるほか、流儀によっては同じ図柄のものを『紅葉狩(もみじがり)』『張良(ちょうりょう)』などでワキが用いることもあります。扇の種類や用途は各流儀で異なります。

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泥眼(でいがん)
泥眼(でいがん)

本来は、竜女(りゅうにょ)をあらわす特殊な面だったようですが、恨みや嫉妬を内に秘めた表情の面として、『葵上』や『砧(きぬた)』など、恨みに苦しむ女性の役に用いられるようになりました。白目の部分に薄く引かれた金泥(きんでい)が、その名前の由来です。

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鱗摺箔(うろこすりはく)

無地の平絹(ひらぎぬ)や綾(あや)という生地に金または銀で細かい模様をつけた小袖を摺箔といい、着付(きつけ)[内側に着る衣装]に用います。
様々な色、模様があり、鱗(うろこ)[三角形をならべた模様]の摺箔を特に鱗摺箔と称します。般若の面を掛ける役や、竜女(りゅうにょ)の役に用います。『葵上』の前シテは後場に般若の面を掛けるため、鱗摺箔を着込んでいます。

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