場面(一):北新地河庄の段
場面(二):天満紙屋内の段
場面(三):道行名残の橋づくし
小春(こはる)と心中の約束をし、恋に身を焦がす治兵衛(じへえ)は、「魂抜けてとぼとぼ、うかうか。」と、小春が客に呼び出された河内屋(かわちや)へやってきます。ところが、河内屋の外から、部屋の中の様子を窺う治兵衛は、心中を取り止めたいと武士の客(実は、治兵衛の兄の孫右衛門[まごえもん])に語る小春の言葉を聞いてしまいます。
映像は、治兵衛が小春に裏切られたと思い、「木から落ちたるごとくにて、気もせき狂」って逆上する場面です。この後、治兵衛は「二年というもの化かされた」と、怒りと悲しみのあまり小春を刺そうとし、河内屋の店先の格子に腕を縛りつけられてしまうのです。
『心中天網島』
国立劇場第140回文楽公演 2002(平成14)年9月
「北新地河庄の段」[9]竹本綱大夫・[5]鶴澤清二郎
「天満紙屋内の段」豊竹咲大夫・鶴澤清介
「道行名残の橋づくし」 [3]豊竹呂勢大夫(小春)・豊竹咲甫大夫(治兵衛)・竹澤団七・竹澤弥三郎・他
紙屋治兵衛:吉田玉男
紀の国屋小春:[3]吉田簑助
女房おさん:吉田文雀
粉屋孫右衛門:吉田玉女