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主要作品紹介 【出世景清】

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画像

息子たちとの死を選んだ阿古屋
「景清牢破りの段」

あらすじ

初段】 【二段目】 【三段目】 【四段目】 【五段目

 源氏への復讐を企てる、平家の残党・悪七兵衛景清(あくしちびょうえかげきよ)の物語に、小野姫(おののひめ)と阿古屋(あこや)という、2人の女性を絡めて書かれた作品です。

【初段】
 平家の残党・悪七兵衛景清は、源氏と平家の合戦で鎌倉幕府が誕生した後も、源頼朝(みなもとのよりとも)の命を狙っていました。熱田神宮(あつたじんぐう)の大宮司(だいぐうじ)の娘・小野姫と結婚し、匿(かくま)われていた景清は、ある日、頼朝の重臣を討とうとして見破られます。
【二段目】
 景清は京の都へと逃げ延び、彼の息子2人を生んだ遊女・阿古屋の家を訪れました。しかし翌日、阿古屋は兄の伊庭十蔵(いばのじゅうぞう)から、「幕府に景清の居場所を密告し、恩賞をもらおう」と持ちかけられます。反対する阿古屋ですが、景清宛の小野姫の手紙を兄から見せられて嫉妬心にかられ、兄の密告を容認してしまいます。景清は、十蔵の訴えにより窮地に陥りますが、何とか難を逃れました。
【三段目】
 自分の替りに捕えられた大宮司と小野姫を助けるため、景清は名乗り出て牢に入れられます。
 〈小野姫道行・六条河原の段〉
【四段目】
 深く後悔した阿古屋は、景清のもとへやってきます。しかし景清は、密告を許して復讐の邪魔をした阿古屋を許しません。悲嘆にくれた阿古屋は、景清の息子2人と一緒に自害します。黙って堪えていた景清も、3人が息絶えると、たまらず涙を流すのでした。そこへ十蔵が姿を見せると、景清は牢を破って外に出て、彼を殺します。しかし、大宮司たちに害が及ばないよう、自ら牢中へと戻るのでした。
 〈景清牢破りの段〉
【五段目】
 後日、景清は処刑の寸前に、信奉していた清水寺の千手観音(せんじゅかんのん)に命を救われました。源頼朝はその奇跡に感じて彼を許し、領地を与えます。頼朝の寛大な心に触れ、景清はこれまでの所業を悔います。そして、その姿を目にすることで復讐心がよみがえらないよう、自らの両眼を抉(えぐ)って頼朝に捧げ、去っていきます。

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