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登場人物
女(おんな)狂言に登場する女性は、よく「わわしい女」と表現されます。これは「口うるさい」という意味です。強くしたたかで、夫の甲斐性(かいしょう)なしや浮気に足を踏みならし、ひどく腹を立てたりもします。しかしその一方、けなげで夫想いの一面をかいま見せることもあります。装束(しょうぞく)は、縫箔(ぬいはく)を着流しで着用します。面(おもて)はつけず[醜女(しこめ)の役の時はつける]、女性らしい声色に似せることなく、そのまま演じます。「ビナン」という白い布を頭に巻き付け、布の余った部分を顔にたらして裾を女帯に挟むのが、女性の出で立ちの大きな特徴です。代表曲:『釣針(つりばり)』、『鎌腹(かまばら)』、『石神(いしがみ)』 『鎌腹』のアド[妻]/山本則秀 [撮影/神田佳明] |