老人(ろうじん) 登場人物

老人(ろうじん)

狂言における老人(ろうじん)は、腰を曲げ、杖を使ってたどたどしく歩きます。用いる面は「祖父(おおじ)」といい、しわが多く刻まれ、歯が抜け落ちた表情をしており、老いた様子を強調して見せます。老人の描かれ方は曲によって様々で、百歳にもなる祖父が恋に落ちてしまったり、若者達とはりあってみせたり、「老い」を面白くデフォルメしてみせたものがいくつかあります。男性の老人を表すために、角帽子(すみぼうし、すんぼうし)に、小格子(こごうし)厚板(あついた)という装束(しょうぞく)を着流しで着用します。

代表曲:『枕物狂(まくらものぐるい)』、『庵梅(いおりのうめ)』、『老武者(ろうむしゃ)』

『枕物狂』のシテ[祖父]/4代目・山本東次郎 [撮影:神田佳明]