山伏(やまぶし) 登場人物

山伏(やまぶし)

修験道の行者である山伏(やまぶし)は、能では、法力をもって悪霊を退治するヒーローとして登場しますが、狂言においては、その力をかさに着て偉ぶった人物として描かれます。そのくせ、病気を治そうと術をかけるもののうまくゆかず、より事態を悪くしたり、横暴さゆえに自分の周囲の人々にやりこめられたり、といった結末を迎えます。装束(しょうぞく)は、頭に兜巾(ときん)、首には篠懸(すずかけ)、手には数珠(じゅず)と、山伏の特徴的な出で立ちです。また、水衣(みずごろも)の肩の部分を上げ、袴(はかま)は裾(すそ)を縛って脚半(きゃはん)を付けた括袴(くくりばかま)にすることで、活動的なようすを表します。

代表曲:『蝸牛(かぎゅう)』、『柿山伏(かきやまぶし)』、『犬山伏(いぬやまぶし)』

『柿山伏』のシテ[山伏]/4代目・山本東次郎 [撮影:神田佳明]