大名(だいみょう) 登場人物

大名(だいみょう)

狂言に登場する大名(だいみょう)とは、地方の荘園領主や豪族といった立場の人々です。それほど大きな権力を持たないのに、目下の者に偉ぶった態度をとったり、庶民を巻き込んで自分の力を誇示してみせたり、力を持つ人間にありがちな性質を誇張して描き出します。しかもその結果、大名が失敗したり、自分の能力の低さを露呈させたりしてしまう、という作品が多くあります。装束(しょうぞく)は、袴(はかま)の裾(すそ)を長く引いた素袍裃(すおうかみしも)、それに烏帽子(えぼし)、小刀と、いずれも格式ある身分を表します。

代表曲:『二人大名(ふたりだいみょう)』、『萩大名(はぎだいみょう)』、『蚊相撲(かずもう)』

『文相撲』のシテ[大名]/山本則直 [撮影:神田佳明]