狂言の演目と鑑賞

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遠国(おんごく)[地方]の大名は長い都暮らしの気晴らしに太郎冠者と狩りに出かけ、猿引(さるひき)[猿回し]に出会います。毛並みの良い猿を見て大名は靭(うつぼ)[矢を入れる筒]を猿皮で飾ろうと思いつき、猿を貸せと言います。それでは猿が死んでしまうと猿引が断ると、大名が弓矢で脅すので、猿引はやむなく自分で殺すことにします。猿に言い含め、杖を振り上げると、猿はその杖を取って舟をこぐ物真似の芸を始めます。そのいじらしさに猿引は泣き出し、大名ももらい泣きし、猿の命を助けることにします。喜んだ猿引が礼を言い、めでたい猿歌をうたって猿を舞わせます。その面白さに大名も上機嫌になり、扇や太刀、着ているものまで与え、自ら猿の真似をしてはしゃぎます。

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皮をはぐと言ったかと思えば、猿に同情して泣き出す。自分勝手な反面、愛嬌(あいきょう)もある大名の喜怒哀楽が、話のヤマを作っていきます。子役が演じる小猿のいじらしさも本曲の見どころで、役者の子供や孫がこの猿の役で初舞台を踏むことも多いようです。じっとする間もなく体をかいたり動き回ったり、無邪気な子供の所作そのものが小猿らしく見えてきます。猿に芸をさせる猿引(さるひき)は、古くから日本にある大道芸で、「猿が参りてこなたの御知行(ごちぎょう)、まさるめでたき能つかまつる」にはじまり、「楽しうなるこそめでたけれ」としめくくる猿歌[詞章は大蔵流の例]は、祝言の気持ちにあふれたものです。

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[動画中の詞章/大名が猿に近づきひっかかれそうになる場面より]
大名「さてさて、毛の込(こ)うだよい猿じゃ」
「キャアキャアキャアキャア」
猿引「ヤイまし、なぜにそういうこんだことをするぞ」
太郎冠者「のうそこな人、わわしくはわわしいとなぜにおしゃらぬぞ」
猿引「よいように仰せ上げられて下されい」
大名「ヤイヤイ太郎冠者、苦しゅうないと言え」
太郎冠者「心得ました。苦しゅうないと仰せらるる」
猿引「それは近頃かたじけのうござる」

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