狂言の演目と鑑賞

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※大蔵流では『以呂波』、和泉流では『伊呂波』と表記します。


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このあたりに住む祖父(おおじ)が、孫に「いろは」を教えようと思い、「いろはにほへとちりぬるを……」と吟ずると、孫は一字一字教えてくれと注文します。祖父が「い」と教えると、孫は「燈心(とうしん)」と答え、藺(いぐさ)を引くと燈心が出る*1と言います。「ろ」と教えると「かい」と答え、舟には櫓櫂(ろかい)があるといいます。「ちり」と教えると、お座敷にチリがあるので掃き集めて火にくべろと言います。祖父は、そういうのは走り知恵といって何の役にもたたぬと叱り、今度は自分の言う通り口真似をしろと命じますが、孫は祖父が叱る言葉までそっくり言い返します。ついに祖父が怒って孫を引き倒すと、孫も同様に祖父を引き倒し、立ち去ります。祖父は起き上がると怒って後を追います。


*1 藺のことを「い」と言い、その髄(ずい)を燈心に用いました。

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口真似をしろと言われた者が、真似しなくていい言動までそっくり真似て相手を怒らせる作品は、他にも『口真似』『察化(さっか)』などがあります。おそらくこの口真似というモチーフは、師が弟子に口うつしに教える狂言の稽古法からきているのでしょう。稽古を始めたばかりの子供の時にこの『以呂波』で初舞台に立つ役者も多いようです。通常は親子の役で演じられますが、ここに紹介する公演は実の祖父と孫の共演です。賢い子供は、えてしてかわいげのないところがありますが、祖父がひとこと言うたびに間髪入れずにまぜっかえす孫に、祖父がだんだんいらいらしてくる様は、子供ゆえのとんちんかんな受け答えなのか、利発な子供が祖父をからかっているのか、どちらにも見えておもしろい場面です。

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[動画中の詞章/いろはの最後の部分を教え終わっても口真似が続く場面より]
「ゑひもせず京とよめ」
「ゑひもせず京とよめ」
「もうよい、いて休め」
「もうよい、いて休め」
「いて休めとはそなたのことぢゃ」
「いて休めとはそなたのことぢゃ」
「おのれ頭をはろうぞよ」
「おのれ頭をはろうぞよ」

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