歌舞伎舞踊を彩る要素

清元

「清元」

『三社祭』
中村智太郎(5代目中村翫雀)の悪玉
中村信二郎(2代目中村錦之助)の善玉
1986年[昭和61年]4月 国立劇場 第137回歌舞伎公演

清元は、江戸時代後期に豊後節(ぶんごぶし)から生まれました。高い声と繊細な節回しが、哀切感や色気をかもしだします。例えば「二道を(ふたみちを)」は、「ふぅうううたぁみぃちぃいいを」となり、節に細かい変化があるのが特徴です。男性の高音と三味線の澄んだ音色が色っぽく、「男にちょうど青日傘 骨になるとも 何のその[男に丁度会えるなら、骨になっても構わない]」(『かさね』)という恋の思いを、美しく切なく描きます。他に『保名(やすな)』、『落人(おちうど)』、『隅田川(すみだがわ)』があり、清元の節回しが悲しい局面を引き立てます。その一方で『うかれ坊主』や『三社祭(さんじゃまつり)』のように粋で軽妙な作品もあります。

映像:『三社祭』

「お人の人の 可愛い可愛い お人の人の 目を覚ます」という詞章で、愛しい人が寝ているのを起こす情景が語られています。リズムに合わせたテンポの良い振りと共に、登場人物の1人が女性に扮し、相手を起こす振りが描写されます。

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