歌舞伎舞踊を彩る要素

長唄

「長唄」

『娘道成寺』7代目中村芝翫の白拍子花子
1990年[平成2年]3月 国立劇場 第159回歌舞伎公演

曲調は明るくリズミカルで、三味線の他に大鼓(おおつづみ・おおかわ)・小鼓(こつづみ)・太鼓(たいこ)・笛といった大人数の編成が特徴です。「花が美しい」「月が綺麗だ」といった風景描写を得意としています。歌舞伎の伴奏として発達し、浄瑠璃のように物語を語るのではなく、情緒を表現するのが得意です。時代が下ると、謡曲に題材を取った『連獅子(れんじし)』などの物語性の強い曲も作られるようになりました。

映像:『娘道成寺』

娘のあどけない様子を明るくテンポよく踊る部分です。「花の都は 歌で和らぐ 敷島原(しきしまばら)に 勤めする身は 誰と伏見の……」という詞章で、「歌で和らぐ」から和歌の縁語の「敷島」を導き、その「島」を使って遊廓の「島原」が読み込まれています。この部分に物語や意味といったものはなく、江戸、京、大坂の遊廓の名がつづられた詞章で、リズミカルに展開する舞踊の雰囲気を伝える役割をしています。

文化デジタルライブラリー

ページの先頭に戻る