歌舞伎舞踊を彩る要素

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作品にみる扮装

吉野山

静御前(しずかごぜん)のお供の旅で、吉野山へやってきた忠信(ただのぶ)が、合戦の様子を表現する「物語(ものがたり)」の場面です。上半身に着ている大きな模様が付いた衣裳は「首抜き(くびぬき)」といい、大きな模様から首が抜け出ているように見えるのでこう呼ばれています。首抜きは勇ましい立役の他に『お祭り』の鳶頭(とびがしら)など、粋な人物にも使われています。

連獅子

獅子の舞踊の後段には獅子の精が登場し、長い毛を勇壮に振ります。その獅子の精の鬘を「(かしら)」といいます。「頭」には白・赤・茶・黒などの種類があり、獅子や鬼女、蜘蛛の精など、人間以外のに使われます。白は「白頭(しろがしら)」、赤は「赤頭(あかがしら)」と呼ばれます。頭に扇の付いたものもあり、これは『執着獅子(しゅうじゃくじし)』などの女の獅子に用いられます。

供奴

奴とは武家に奉公(ほうこう)する雑用係です。『供奴』はご主人のお供をする奴なので、足を丸出しにした動きやすい格好をしています。衣裳は黒の着物に、金糸の房の付いた派手な褌(ふんどし)を着けています。

廓文章

藤屋の若旦那・伊左衛門(いざえもん)は、廓遊び(くるわあそび)が過ぎて勘当を受け、今は流浪(るろう)の身となっています。衣裳は「紙衣(かみこ)」といい、落ちぶれた姿を表しています。本来は、紙を貼り合わせて作った着物のことですが、歌舞伎舞踊では実際に紙で作った衣裳ではなく、紙で作ってあることを暗示させる衣裳になっています。手紙などの書き損じた紙を使っているということを示すため、衣裳のところどころに文字の模様が入っています。

奥庭狐火

八重垣姫(やえがきひめ)は情熱的な恋をするお姫様です。鬘(かつら)を「吹輪(ふきわ)」といいます。小さな鼓のような飾りに髪を巻き付けた形が特徴で、この鬘は姫役に使われます。衣裳は綺麗な刺繍(ししゅう)の模様がたくさん入った豪華な赤の振袖です。吹輪と赤の振袖はお姫様の扮装の典型的なパターンです。そのため歌舞伎ではこの衣裳の色から、姫のを通称して「赤姫(あかひめ)」と呼んでいます。恋の思いを表現するために生まれた女方の舞踊は、お姫様や花魁(おいらん)、町娘など多くの娘たちが豪華な衣裳で登場しますので、その扮装を見ることも、歌舞伎舞踊を味わう楽しみのひとつです。

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