歌舞伎舞踊の作品と表現

出端

「出端」

『藤娘』5代目中村時蔵の藤の精
1994年[平成6年]4月 国立劇場 第186回歌舞伎公演

「出端(では)」の「端」には先端という意味があり、「出端」は人物が登場する部分です。単に「出(で)」ともいい、人物の特徴が述べられます。

『藤娘』では、「人目せき笠 塗り笠(ぬりがさ)しゃんと ふりかたげたる一枝(ひとえだ)は」からが出端にあたります。「人目せき笠」は「人目をさえぎる笠」で、「人目を避けるように塗り笠をかぶり、藤の枝を肩にかついで」という意味です。黒い塗り笠をかぶって、藤の枝を担いでいる藤娘の姿を描写しています。

映像:『藤娘』

映像は出端の冒頭「人目せき笠塗り笠しゃんと ふりかたげたる一枝は」です。「置」で真っ暗だった舞台が一転して明るくなると、藤の枝を肩にかついだ娘が立っています。娘は後ろ向きの姿からふり返り、塗り笠に手をかけるなどして、この娘の可愛らしさを表現していきます。

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