作品概要
| 通称 | 鷺娘 |
|---|---|
| 本名題(ほんなだい) | 鷺娘(さぎむすめ) |
| 初演年度 | 宝暦12年(1762年) |
| 音楽 | 長唄 |
| 題材による分類 | 変化物 |
恋の思いに苦しむ娘の姿を、白鷺の姿になぞらえた作品です。冒頭、薄暗い雪景色の中に娘の姿がうっすらと浮かびあがってきます。娘は降りしきる雪を眺め、やがて雪のようにしんしんと積もる思いを描写していきます。そして「引き抜き」をすると一転して明るい場面となり、手拭い[綿帽子の場合もある]を使った踊りや明るいリズムの手踊り、また「引き抜き」をして傘を使った踊りと、娘の可愛らしい姿を次々と見せていきます。再び舞台が薄暗くなり、鷺の羽模様の衣裳になると見どころの「地獄の責め」です。仏教では、何かに執着(しゅうちゃく)すると成仏できないと考えられていましたから、娘はその恋の思いのために地獄に堕ち(おち)、責め苦を受けているのです。地獄の責めとは、光る刃(やいば)に容赦(ようしゃ)なく身を傷つけられ、地獄の鬼に追い立てられて剣の山に上らされたり、あるいは骨が砕けるまで叩かれるなどですが、ここでは娘が雪の中でもがき苦しむ姿を見せることで、それを暗示しています。責め苦が休みなく続けられても、それでも恋しい人への思いは誰にも消すことができず、娘は生きようと悶え、必死にはばたきを続けようとしますが、ついに力つき息絶えていきます。
