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「能装図」より 能 『野宮』/『三井寺』
「能装図」より 能 『野宮』 「能装図」より 能 『三井寺』

 作り物は、上演に際して製作し、終演後に解体する道具の一種で、竹を主材として作った骨組みを白布などで巻いた簡素で象徴的な形をしています。「野宮」では主題の情趣を醸し出す鳥居、「三井寺」ではわが子を人買いにさらわれた母親が鐘を撞く鐘楼など、それぞれが演技・演出と密接なかかわりを持っています。

 小道具の中でも特殊なものとして扇と葛桶(かずらおけ)があります。

 諸役はすべて扇を身に付けて舞台に出ます。扇には、普通の扇子の形をした鎮扇(しずめおうぎ)と閉じたときに上端が開いている中啓(ちゅうけい)の2種類があります。中啓は通常はシテやワキの役が用いるもので、地謡、後見、囃子方やアイは鎮扇を持ちます。扇面にはいずれもさまざまな図様が描かれていますが、特に中啓では、例えば、紅入(いろいり)鬘扇を三番目物の若い女性役に用いるというように、図様とそれを用いる役柄の間におおよそのきまりがあります。

 葛桶は主に床机として用いるものですが、狂言においては酒樽などの容器や蓋のみを大杯として用いたりするほか、登場人物が上る樹木に見立てたりもします。

作り物・小道具
扇
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