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「御能狂言図巻」より 狂言『節分』
「御能狂言図巻」より 狂言『節分』

 笑いの芸能である狂言は、祝言や風刺、滑稽を基礎とし、中世庶民の生活や民間説話を素材として、言葉の芸に重きをおく物語り芸、対話劇として発達しました。猿楽本来の物まねの芸を継承しながら、ものの核心を生き生きと描き出すために、単なる写実にとどまらない様式的な表現が工夫されています。それは登場人物の類型化や舞台、道具の簡素化と並んで、狂言面に見られるような誇張化となってあらわれています。狂言の笑いは、江戸時代に式楽となり古典芸能として定着したことで洗練されることとなりました。同時代的な風刺性や野卑な滑稽性が弱まる一方で、軽妙洒脱で上品なユーモアとそれを支える力強い骨太の芸に磨きがかけられ、一座和楽の祝言性が強まる方向へと向かいました。明朗な調子と発声による言葉の芸は、二人の演者が同時に語るそれぞれの独白を混声することなく観客に伝えます。そして無駄のない端正でスマートな演技―そうした演技の基礎の上に展開する様々な場面が、観る者に後味のよい和やかな笑いをもたらしてくれます。

 狂言の現行曲は約260曲ほどあります。その登場人物には、太郎冠者(たろうかじゃ)をはじめとして、おおらかでたくましい中世庶民の生活感情が息づいています。主な役柄としては、果報者、福神、百姓、大名、太郎冠者、次郎冠者、聟、夫婦、鬼、山伏、僧侶、座頭(ざとう)、盗人、すっぱ(詐欺師)という類型に分けることができます。こうした類型は演出、表現様式、扮装とも密接に関連するもので、演目を分類する一般的な方法としても用いられています。

脇、大名狂言
太郎冠者、聟・女狂言
鬼・山伏、出家・座頭、集狂言
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