歌舞伎への誘い 〜鑑賞の手引き〜
歌舞伎の演目
『助六由縁江戸桜』 すけろくゆかりのえどざくら
通称 『助六』 すけろく
作品紹介
「歌舞伎十八番」の1つで、通称『助六』とよばれています。
曽我五郎時致(そがのごろうときむね)は、花川戸の助六(はなかわどのすけろく)という侠客となって、源氏の宝刀友切丸(ともきりまる)を探し出すため吉原に出入りしています。三浦屋の傾城揚巻(あげまき)と恋仲になった助六は、吉原で豪遊する意休(いきゅう)という老人が、この刀を持っていることを聞きだし、奪い返すというストーリーです。
 
多彩な登場人物 左から白酒売り 助六 意休 白玉 揚巻
 
2時間近い舞台には、助六に喧嘩の稽古をつけてもらう白酒売り[実は五郎の兄の曽我十郎(そがのじゅうろう)]、助六の喧嘩を戒めて紙衣(かみこ)を渡す母の満江(まんこう)、助六に喧嘩を吹っかけて返り討ちに合う意休の子分かんぺら門兵衛(かんぺらもんべえ)・朝顔仙平(あさがおせんぺい)など多彩な役が登場し、観客を飽きさせません。
 
 
 
特徴的な表現
揚巻の悪態
前半には、助六との仲を意休に責められた揚巻が、悪態(あくたい)[悪口]で言い返す場面があります。揚巻は、助六と意休を雪と墨に例え、また「くらがりで見ても助六さんと意休さんを取違えてよいものかいなァ」と命がけで言い放ちます。ここは、揚巻を演じる立女方(たておやま)の貫禄を示す重要な場面です。
 
 
 
出端 では
助六の「花道(はなみち)」からの出は、紫の鉢巻の由来を含めた助六の自己紹介ともいえる「河東節(かとうぶし)」の語りに合わせ、颯爽(さっそう)と舞踊のように演じられます。このくだりは、「出端」とばれており、助六を演じる俳優の最初の見せどころです。助六という役は、荒々しく豪快な「荒事(あらごと)」とやわらかく優美な「和事(わごと)」の要素を兼ね備えた役で、出端の振りにもこの役の性格がうかがえます。
なお「河東節」は、市川團十郎家(いちかわだんじゅうろうけ)の俳優が助六を演じるときに限って使用されます。その他の家の場合は、尾上菊五郎家(おのえきくごろうけ)では清元(きよもと)、片岡仁左衛門家(かたおかにざえもんけ)は「長唄(ながうた)」を使用し、作品タイトルも変えて上演します。
 
 
 
 
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