歌舞伎への誘い 〜鑑賞の手引き〜
歌舞伎の表現
長唄 ながうた
「歌いもの(うたいもの)」に分類される三味線音楽の1つです。歌舞伎舞踊の伴奏音楽として発生し、享保年間[1716年〜1736年]末期から宝暦年間[1751年〜1764年]にかけて発展しました。現在では「下座(げざ)」の演奏の多くも担当しているため、歌舞伎の音の表現において大きな割合を占めています。
 
雛壇に居並ぶ長唄の唄方と三味線方 9代目松本幸四郎の弁慶 7代目市川染五郎の富樫 『勧進帳』 2004年[平成16年]12月
 
演奏者は、「唄方(うたかた)」と「三味線方(しゃみせんかた)」に別れます。舞踊の伴奏は舞台上で行なわれ、基本的に毛氈(もうせん)が掛けられた「雛壇(ひなだん)」とよばれる台の上に、下手(しもて)から「唄方」、上手(かみて)から「三味線方」が並びます。三味線は、繊細なメロディーを演奏するのに適している「細棹(ほそざお)」とよばれる高い音色の種類を使用します。