歌舞伎への誘い 〜鑑賞の手引き〜
歌舞伎の表現
竹本 たけもと
歌舞伎で演奏される「義太夫節(ぎだゆうぶし)」をさします。もともとは竹本義太夫(たけもとぎだゆう)が創始した、人形浄瑠璃(にんぎょうじょうるり)[文楽(ぶんらく)]の語りです。やがて人形浄瑠璃の作品を歌舞伎に移した「義太夫狂言(ぎだゆうきょうげん)」が上演されるようになったため、歌舞伎でも演奏されるようになりました。

「義太夫狂言」では、登場人物のせりふは基本的に俳優が語るため、「竹本」はおもに情景を描写する部分を語ります。あくまで俳優の演技を引き立てる演奏が基本になるため、熟練した技術を求められます。
 
「竹本」のリズムに合わせて、俳優がせりふを言ったり、演技をすることを「糸に乗る」といいます。この「糸」は、三味線の弦(いと)をさします。特に立役(たちやく)が過去の出来事を周囲に語り聞かせる「物語(ものがたり)」や、女方(おんながた)が心情を吐露する「クドキ」とよばれる場面で、俳優が糸に乗り、「竹本」と一体となった場合には、舞台が盛り上がります。
また「義太夫狂言」以外にも、舞踊の伴奏音楽として演奏される場合があります。
糸に乗った演技 2代目中村吉右衛門の袖萩 『奥州安達原』「環宮明御殿の場」 2001年[平成13年]1月
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