歌舞伎への誘い 〜鑑賞の手引き〜
歌舞伎の表現
ツケ
舞台上手(かみて)[客席から向かって右]の隅に置かれた、「ツケ板」とよばれる板に木を打ちつけて出される効果音をさします。俳優の演技に合わせて打たれ、動作や物音を強調する効果があります。
 
見得には欠かせないツケ
 
動作を強調する目的で最も多く打たれるのが、俳優の「見得(みえ)」に合わせて「バッタリ」と打たれる「ツケ」です。映像は、「幕切(まくぎれ)」の「見得」に合わせて打たれる例で、このように細かく刻んで打たれる場合を「打上げ(うちあげ)」とよび、「幕切」を盛り上げる効果があります。
 
物音を強調する例としては、登場人物が、舞台上に物を落としたときの「カタ」という感じの軽い音や、駆け出したときの「バタバタバタ」という小刻みな音が挙げられます。
「ツケ」を打つ担当者は「ツケ打ち」とよばれ、個々の俳優の動きと呼吸が一体化した「ツケ」を打つには、かなり高度な技術が求められます。
幕切の見得を盛り上げる打上げのツケ 3代目市川猿之助の相馬太郎 『四天王楓江戸粧』「紅葉ヶ茶屋の場」 1996年[平成8年]10月
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