歌舞伎への誘い 〜鑑賞の手引き〜
歌舞伎の表現
見得 みえ
感情の高まりなどを表現するために、演技の途中で一瞬ポーズをつくって静止する演技をさし、その人物をクローズアップさせる効果があります。多くの場合、「見得」の瞬間には「バッタリ」という「ツケ」が打たれます。「立役」を中心に行なわれますが、役柄や作品内容によって表現は異なります。
「荒事(あらごと)」の役では、より効果的に見せるために、直前に大きく首を振ったり、足を大きく踏み出したり、手を大きく広げたりする動作を伴います。
また若衆役(わかしゅやく)や「世話物(せわもの)」の役では、あごを引く程度の小さな動きで表現します。
 
映像は、「幕切(まくぎれ)」の「大見得(おおみえ)」です。「ツケ」が細かく打たれた後に、大きく打ち上げられて、主役を中心にして主だった人物が同時に「見得」をするため、「打上げの見得(うちあげのみえ)」ともいわれます。慣用句として使用される「大見得を切る」[自信たっぷりに装い、大げさな言動をとる]という言葉は、歌舞伎からきています。
この他にも名称のついた「見得」は、いくつか存在します。
幕切の打上げの見得 3代目市川猿之助の相馬太郎 『四天王楓江戸粧』「紅葉ヶ茶屋の場」 1996年[平成8年]10月
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荒事の代表的な見得の1つ元禄見得 5代目中村勘九郎(18代目中村勘三郎)の梅王丸 『菅原伝授手習鑑』「吉田社頭車引の場」 1981年[昭和56年]12月
写真は、「元禄見得(げんろくみえ)」とよばれる「荒事」の典型的な「見得」の1つです。この他にも『勧進帳(かんじんちょう)』で行なわれる「石投げの見得(いしなげのみえ)」や『鳴神(なるかみ)』で行なわれる「柱巻きの見得(はしらまきのみえ)」などが挙げられます。
 
 
 
 
 
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