歌舞伎への誘い 〜鑑賞の手引き〜
歌舞伎の表現
立廻り たちまわり
切り合いや格闘の場面で行なわれる、様式的な動きを「立廻り」といいます。1対1の設定もありますが、多くの場合は「シン」とよばれる主役に向かって、「搦み(からみ)」とよばれる大勢の軍兵(ぐんぴょう)や捕り手に扮した脇役の俳優が挑みかかります。一連の動きは、「下座音楽(げざおんがく)」に合わせて流れるように演じられ、「シン」は要所で「見得(みえ)」を行ないます。「搦み」が、切られたり投げられたりする時には、「とんぼ」とよばれる宙返りをします。これらの動きすべては、「立師(たてし)」とよばれる俳優が、上演の都度「シン」の演じる役柄や好みに合わせて考案します。
また舞踊作品の中に、「立廻り」が組み込まれている場合もあります。これを「所作ダテ(しょさだて)」とよび、通常の「立廻り」以上に音楽に合わせた動きで表現されます。
 
立廻りのさまざまな型(『戯場訓蒙図彙』殺陣)