歌舞伎への誘い 〜鑑賞の手引き〜
歌舞伎の表現
さまざまな役の表現
ここでは「その役らしさ」の表現を具体的な役に基づいて、解説していきます。下の写真をクリックしてください。
 
梅王丸 伊左衛門 関兵衛 実は 大伴黒主 蘇我入鹿 髪結新三 佐藤忠信 実は 源九郎狐 三浦屋揚巻 八重垣姫 切られお富
 
5代目中村時蔵の八重垣姫 『本朝廿四孝』「長尾謙信館十種香の場」 2005年[平成17年]3月
八重垣姫 やえがきひめ
『本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)』 通称:「十種香(じゅしゅこう)」
戦国大名、長尾謙信(ながおけんしん)の娘で、亡くなった許婚(いいなずけ)の武田勝頼(たけだかつより)にそっくりな簑作(みのさく)[実は生きていた勝頼]という男に恋をするお姫様の役です。
役柄 赤姫 あかひめ
お姫様の定番の衣裳は、赤地に金や銀の糸で、四季の花々や雲形、流れ水に扇が散らされた模様などを刺繍した振袖(ふりそで)と打掛(うちかけ)です。この衣裳は「赤姫」とよばれ、またお姫様役の通称ともなりました。赤は、お姫様の役の純情で可憐な風情を表現しています。
 
 
演技 赤姫の演技の特徴
座っている時には袖を見せるように両手を胸の辺りまであげ、横に伸ばしている姿勢が基本です。また指は、袖からなるべく出さないようにするのが心得とされます。これらは、男性である女方(おんながた)の手を隠しておしとやかに見せるための工夫です。
 
 
鬘 かつら  吹輪 ふきわ
姫の役が使用する典型的な鬘(かつら)です。髷の中に「鼓(つづみ)」とよばれる飾りを入れ、前には銀の花簪(はなかんざし)をつけることで、華やかさを演出しています。また耳のあたりから下がっている毛を「姫ジケ」といい、襟元(えりもと)を細く見せる効果があります。