歌舞伎への誘い 〜鑑賞の手引き〜
歌舞伎の表現
さまざまな役の表現
ここでは「その役らしさ」の表現を具体的な役に基づいて、解説していきます。下の写真をクリックしてください。
 
梅王丸 伊左衛門 関兵衛 実は 大伴黒主 蘇我入鹿 髪結新三 佐藤忠信 実は 源九郎狐 三浦屋揚巻 八重垣姫 切られお富
 
5代目坂東八十助(10代目坂東三津五郎)の髪結新三 『梅雨小袖昔八丈』「白子屋見世先の場」 1997年[平成9年]3月
髪結新三 かみゆいしんざ
『梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)』「白子屋見世先の場(しらこやみせさきのば)」
新三(しんざ)は、きっぷのよい江戸っ子ですが、誘拐にも手を染める小悪党という設定です。髪結いとは、道具を持って家々をめぐり、その場で髷(まげ)を結う職業です。
衣裳
江戸時代の庶民の生活をリアルに描いた「世話物(せわもの)」の登場人物であるため、衣裳の形は当時の庶民の服装から誇張されていません。そのため役の性格は、色や柄で表現されます。新三の衣裳は、写真の通り藍色です。この藍色で、江戸っ子らしく粋な性格を表しています。
また襷(たすき)は、当時の髪結いの風俗を写して、髷(まげ)を止めるに使われる元結(もっとい)をつなげて作られています。
 
 
小道具 髪結いの道具としぐさ
本職の髪結いが使用するものを再現した小道具を手にして、舞台上で髷を結う様子を写実的に演じます。この役を演じる俳優は、床山(とこやま)とよばれる鬘(かつら)を結う職人から、道具の扱い方や結い方を教わることで、舞台上で髪結いらしく見えるよう演じています。