歌舞伎への誘い 〜鑑賞の手引き〜
歌舞伎の表現
さまざまな役の表現
ここでは「その役らしさ」の表現を具体的な役に基づいて、解説していきます。下の写真をクリックしてください。
 
梅王丸 伊左衛門 関兵衛 実は 大伴黒主 蘇我入鹿 髪結新三 佐藤忠信 実は 源九郎狐 三浦屋揚巻 八重垣姫 切られお富
 
17代目市村羽左衛門の蘇我入鹿 『妹背山婦女庭訓』「三笠山御殿の場」 1996年[平成8年]12月
蘇我入鹿 そがのいるか
『妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)』「三笠山御殿の場(みかさやまごてんのば)」
入鹿は、母親の胎内に鹿の生血が入って生まれたという超人的な設定で、自ら帝位を名乗る謀反人です。
役柄 公家悪 くげあく
敵役(かたきやく)の中でも、公家(くげ)や大名など位の高い人物の役柄をさし、堂々とした貫禄のある演技で周囲を圧倒します。
 
 
鬘 かつら  王子 おうじ
「公家悪」や「国崩し(くにくずし)」とよばれるスケールの大きな敵役で使用されます。長い髪を後ろに垂らし、また耳の下あたりからも「シケ」とよばれる毛を垂らしているのが特徴です。この異様な髪型が、超人的な雰囲気を表しています。
 
 
化粧 公家荒 くげあれ
「公家悪」で使用される「隈取(くまどり)」です。白く塗った上に藍色で筋を引くことで、冷たく不気味な印象を醸し出しています。
 
 
扮装 金冠と竜紋
冠は「金冠(きんかん)」とよばれ、本来なら天皇のみが被ることができるものです。衣裳の胸の辺りには、帝位を象徴する竜紋が刺繍されています。このような冠や紋を身に付けることにより、入鹿が皇位を奪った人物であることを示しています。