歌舞伎への誘い 〜鑑賞の手引き〜
歌舞伎の舞台
廻り舞台 まわりぶたい
舞台中央の床を大きく丸く切り取り、その部分を回転させる舞台機構をさします。丸い部分に2場面または3場面分の舞台装置を飾り付けて回転させることにより、場面転換をスムーズに行なうことができます。また「廻り舞台」は、舞台装置の転換を観客の目の前で行なうことを可能とし、視覚的に訴える場面転換にも効果を発揮しました。歌舞伎独特の舞台機構ですが、明治以降には、海外の劇場にも取り入れられるようになりました。

1758年[宝暦8年]に大坂で、狂言作者の並木正三(なみきしょうざ)が独楽(こま)の回転をヒントに発案したとされています。現在は電動ですが、昔は「奈落(ならく)」で人間によって動かされていました。
 
江戸時代は人力で動かしていた廻り舞台(『戯場訓蒙図彙』) 廻り舞台
 
 
 
 
> 『東海道四谷怪談(とうかいどうよつやかいだん)』
  「伊右衛門浪宅の場(いえもんろうたくのば)」
「伊藤喜兵衛宅の場(いとうきへえたくのば)」
「元の伊右衛門浪宅の場(もとのいえもんろうたくのば)」
隣同士の家の場面を人物の移動に合わせて、スピーディーに転換
 
> 『平家女護島(へいけにょごのしま)』
  通称『俊寛(しゅんかん)』
  「幕切(まくぎれ)」に「廻り舞台」をまわすことにより、舞台一面を海にして、岩の上にたたずむ俊寛の無常観を強調
 
> 『新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)』「野崎村の場(のざきむらのば)」
  主人公のお光の住む家全体を「廻り舞台」によって回転させ、家の裏手の場面に転換