歌舞伎への誘い 〜鑑賞の手引き〜
歌舞伎の歴史
荒事の成立 〜初代市川團十郎〜
「野郎歌舞伎(やろうかぶき)」の時代が終わり、元禄年間[1688年〜1704年]前後には、歌舞伎は江戸と上方[京・大坂]のそれぞれで大きく発展します。
江戸では、「荒事(あらごと)」を得意とした初代市川團十郎(いちかわだんじゅうろう)が活躍しました。
「荒事」とは、「見得(みえ)」や「六方(ろっぽう)」などの演技や、「隈取(くまどり)」をはじめとする扮装によって表現される豪快で力強い芸をさします。このような芸が江戸で好まれた理由として、江戸が武士中心の町であったことが挙げられます。また「荒事」は、万治から延宝年間[1658年〜1681年]にかけて流行した、金平浄瑠璃(きんぴらじょうるり)の影響を受けているともいわれています。
 
図は『兵根元曽我(つわものこんげんそが)』の曽我五郎(そがのごろう)に扮した團十郎を描いたものです。勢いよく竹を引き抜こうとしている姿は、團十郎の豪快な「荒事」の芸を彷彿とさせます。また團十郎は、三升屋兵庫(みますやひょうご)のペンネームで作者としても活躍しました。
「荒事」は團十郎の死後、息子の2代目市川團十郎によって完成され、市川團十郎家を中心として現在にまで受け継がれています。
曽我五郎を演じる初代市川團十郎(『市川団十郎の竹抜き五郎』 鳥居清倍 東京国立博物館所蔵 重要文化財) Image:TNM Image Archives  Source:http:TnmArchives.jp/
 
 
 
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