歌舞伎への誘い 〜鑑賞の手引き〜
歌舞伎の歴史
野郎歌舞伎の発展
「若衆歌舞伎(わかしゅかぶき)」の時代にも、女性役を演じる「女方(おんながた)」は存在しましたが、技術よりも容色が重視されていました。しかし野郎歌舞伎では、「女方」を専門に演じる俳優が登場し、技術的に女性らしさを表現する方向へと発展していきます。
 
また野郎歌舞伎は、当初、歌や踊りによる短い場面で完結した「離れ狂言(はなれきょうげん)」をいくつか続けて上演していましたが、次第にストーリー性をもつ複数の場面からなる「続き狂言(つづききょうげん)」が上演されるようになります。やがて複雑化したストーリーを表現するために、登場人物を類型化して演じるようになり、延宝年間[1673年〜1681年]には、役の年齢や性格に基づいた「役柄(やくがら)」が確立しはじめます。具体的には、若い女性を演じる「若女方(わかおんながた)」、男性役の「立役(たちやく)」、男性の悪人の「敵役(かたきやく)」、中年から老人の女性を演じる「花車方(かしゃがた)」、滑稽な役を演じる「道化方(どうけがた)」などが挙げられ、それぞれの役柄にあった演技術が編み出されていきます。
そり落とした前髪を隠している野郎歌舞伎時代の女方(『男舞図』 東京国立博物館所蔵) Image:TNM Image Archives  Source:http:TnmArchives.jp/
 
 
 
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