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毛抜

【けぬき】

【KENUKI】

 
  • 踊りだした毛抜に驚く弾正 『雷神不動北山桜』12代目市川團十郎の粂寺弾正 1996年(平成8年)1月国立劇場(Y_E0100197000111)
 歌舞伎十八番【かぶきじゅうはちばん】の一つ。
 1742年(寛保【かんぽう】2年)に『雷神不動北山桜【なるかみふどうきたやまざくら】』という作品の中で、2代目市川團十郎【いちかわだんじゅうろう】が演じたのが最初です。
 主人公の粂寺弾正【くめでらだんじょう】は、使者として小野春道【おののはるみち】の館に向かいます。春道の娘【むすめ】錦の前【にしきのまえ】は、髪【かみ】の毛が逆立つという病気でした。弾正は春道を待っている間、毛抜きでひげを抜いていました。するとその毛抜きが勝手に立って踊【おど】り始めました。しかし、銀の煙管【きせる】は踊りません。さまざまなものを試すうちに、どうやら天井【てんじょう】が怪【あや】しいと思った弾正は槍【やり】で天井を突【つ】きます。すると大きな磁石を持った忍【しの】びの者が飛び降りてきました。娘錦の前の髪にさしてあった鉄のかんざしが、磁石に反応したために髪の毛が逆立っていたことが判明する、というお話です。
 この粂寺弾正という役は荒事【あらごと】の一種ですが、『鳴神【なるかみ】』などのように荒々しいものではなく豪快【ごうかい】な中にも大らかさがある役です。7代目團十郎が演じた後はしばらく途絶【とだ】えていましたが、1909年(明治42年)に2代目市川左團次【いちかわさだんじ】が復活させ、現在に伝わっています。

関連項目

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