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時平しへいという役は、以前は良い人のする役どころだったのが、いつかしら下落して二流どころの人が勤めるようになったのを、歌舞伎座で故人の歌右衛門(5代目)が勤めてなかなか立派だったところから、またこの役が浮きあがって来たのです。歌右衛門は山中平九郎(初代)の般若隈でしたが、左大臣という権威をみせるためにも青隈のほうがいいと思いましたし、梅王丸の筋隈との対照上も凄味があっていいと思ってそうしたのでした。以来時平は一般に青隈の公家悪ときまってしまった様子です。
*出典:松本幸四郎『芸談 一世一代』右文社 1948年(昭和23年)7月
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