廓文章【くるわぶんしょう】
大坂の傾城【けいせい】夕霧【ゆうぎり】と藤屋伊左衛門【ふじやいざえもん】を主人公とした物語は、初代坂田藤十郎【さかたとうじゅうろう】以来様々に脚色されて上演され続け、「傾城買狂言【けいせいかいきょうげん】」と呼ばれる一つのジャンルを形成しました。『廓文章』は現在でも上演される「夕霧狂言」の代表作で、通称を「吉田屋【よしだや】」といいます。
主人公の伊左衛門は親に勘当【かんどう】された商家の若旦那【わかだんな】です。紙衣【かみこ】姿に身をやつして恋仲【こいなか】の傾城夕霧を吉田屋に訪ねる花道の出や、他の客の相手をする夕霧に嫉妬【しっと】してすねる姿など、伊左衛門の演技には和事【わごと】の典型をみることができます。
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