能楽

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能の鑑賞【忠度】

  • 概要・あらすじ
  • 演出のポイント
  • 詞章

◆忠度:詞章◆「さなきだに妄執(まうしう)多き娑婆(しやば)なるに、なになかなかの千載集の、歌の品(しな)には入りたれども、勅勘(ちよつかん)の身の悲しさは、読人知らずと書かれし事、妄執の中の第一なり」

忠度が亡霊となってこの世に現れた理由を訴える場面です。忠度の霊は、ただでさえ妄執の多いこの世であるが、なまじ『千載和歌集』に入集したものの、朝廷の敵となった平氏であったために「よみ人知らず」とされたことが、妄執の第一であると言います。そのために、編者藤原俊成(ふじわらのとしなり)にゆかりのワキの前に現れ、歌に自分の名を書き入れてもらうことを願い、妄執を晴らそうとするのです。シテが、生前ゆかりのあった人物の前に現れることは、修羅能にはよく見られる設定です。たとえば『清経(きよつね)』では平清経の霊は妻の前に出現し、『敦盛(あつもり)』では平敦盛の霊は自分を討った男の前に現れます。忠度の場合は、家族への愛や敵への恨みよりも、歌道への執着がもっと強かったということでしょうか。『敦盛(あつもり)』とともに後の人形浄瑠璃『一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)』のもとになった演目です。

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