能楽

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能の鑑賞【隅田川】

  • 概要・あらすじ
  • 演出のポイント
  • 詞章

◆隅田川:詞章◆「さても去年三月十五日、しかも今日に相当りて候、人商人(ひとあきびと)の都より、年の程十二三ばかりなる幼き者を買ひ取つて、奥へ下り候ふが、この幼き者いまだ習はぬ旅の疲れにや、以(もつ)ての外(ほか)に違例(ゐれい)し、今は一足(ひとあし)も引かれずとて、この川岸にひれ伏し候ふを」

渡し守が語るのは、1年前の今日、人商人の連れた12、3才の少年が東北へ向かう途中、重い病のために道端に捨てられ、そのまま亡くなったという、この場所であった痛ましい物語でした。この物語を渡し守は、対岸へ着くまでの一種の世間話として語ります。しかし母親は話を聞いているうちに、その少年こそわが子であると知ります。都からはるばる遠く東の国まで、わが子に会えるかもしれないという望みを胸に旅をしてきた母親は、心の準備もないまま悲しい真実に直面したのです。偶然知ることになった事実に希望は砕け散り、悲劇性が際立つ場面となっています。渡し守の語りは、事件の目撃者の立場から淡々と語られますが、一方でやはり哀れな物語であることに変りはなく、その兼ね合いが非常に難しいところです。近世になると浄瑠璃や歌舞伎に影響を与え、歌舞伎『隅田川続俤(すみだがわごにちのおもかげ)』『隅田川花御所染(すみだがわはなのごしょぞめ)』など多くの隅田川物のもとになった演目です。

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