能楽

(グローバル ナビゲーションここから)

(グローバル ナビゲーションここまで)

(本文ここから)

能面と能装束【能装束】

  • 能装束の特色
  • 能装束の分類
  • 出立

女の出立(いでたち)

『船弁慶』の前シテ静御前の出立は、生きている女性の典型的な出立「唐織着流出立(からおりきながしいでたち)」で、袴(はかま)を着けていません。舞を舞う直前に烏帽子をかぶり、男装の白拍子(しらびょうし)の出立となります。なお、狂女の場合は右袖を脱いで「脱下出立(ぬぎさげいでたち)」にし、高貴な女性では大口(おおくち)という袴を着け、上着は「壺折(つぼおり)」という襟(えり)をゆったりさせた着方にします。また、紅入(いろいり)と呼ばれる赤系の色が入った装束は若い女性にのみ用い、中年以上の女性には赤系の色を使わない紅無(いろなし)を用いるなど、役柄に応じて出立は様々に変化します。

男の出立

能 (観世流) 『船弁慶』 前シテ「静御前」
〔シテ〕観世喜正

冠り物 面 襟 鬘帯 扇 唐織 摺箔
冠り物:金烏帽子(きんえぼし)

金色の前折烏帽子(まえおりえぼし)[前をへこませた烏帽子]で、白拍子(しらびょうし)の役に用います。この静御前の役に用いられるため、別名を静烏帽子(しずかえぼし)と言います。ただし観世流(かんぜりゅう)では特殊演出の場合のみ静はこの金烏帽子をかぶり、通常は黒い立烏帽子(たてえぼし)[へこませていない烏帽子]をかぶります。

閉じる
面:若女(わかおんな)

小面(こおもて)と並ぶ代表的な若い女の面です。流派によって使い分けなどが異なりますが、演目によってはどちらを使ってもいいと決められています。見比べると可愛らしさの勝る小面よりも、この若女のほうが深みのある表情をしています。

若女(わかおんな)

若女(社団法人観世九皐会所蔵)


閉じる
襟(えり)

袖の無い短い下着に1.5cmほどの幅のエリを付けたものです。胴着(どうぎ)という下着の上に重ねて着け、衣装のエリの下にのぞいて見えるようにします。色は役柄によって決まりがあり、静御前のような若い女性の役の場合は、白か赤を用います。

襟(えり)

閉じる
鬘帯(かづらおび)

女性役の頭に巻く平たい紐で、男性役の鉢巻(はちまき)と同じ形です。美しい刺繡が施されていますが、模様があるのは中央と両端の部分で、その中間は無地です。鬘(かづら)をつけ、下掛(したがけ)という黒い紐で固定した上に巻きます。つまり鬘の上に巻かれていますが、あくまでも装飾的なものです。面は鬘帯を巻いた後にかけます。

鬘帯(かづらおび)

若女の面を着ける前と後(観世喜正)


閉じる
扇

紅入鬘扇(いろいりかづらおうぎ)を用います。

閉じる
唐織(からおり)

能の装束の生地の中で最も豪華な唐織を用いた衣装であるため、この名前が付いています。柄は風景や自然物を図案化したものが多く見られます。単に唐織というと、静御前の場合のように、赤い色づかいが目立ち、若い女性の役に用いる紅入(いろいり)唐織を指します。別に、深井(ふかい)や曲見(しゃくみ)の面をかける中年女性の役柄に用いる赤系の色を使わない紅無(いろなし)唐織もあります。

閉じる
摺箔(すりはく)

無地の平絹(ひらぎぬ)や綾(あや)という生地に金または銀で細かい模様をつけた、着付(きつけ)[内側に着る衣装]の一種です。様々な色のものがありますが、単純に摺箔というとこの静御前の場合のように白地の摺箔を指し、身分の高低を問わず女性の役の着付に用います。

閉じる
(本文ここまで)


ページの先頭に戻る