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「有拍のリズム」と「無拍のリズム」

日本の民謡には、規則正しい「有拍のリズム」と、規則性がなく自由な「無拍のリズム[フリーリズム]」があります。この2つを「八木節(やぎぶし)様式」と「追分節(おいわけぶし)様式」と呼びます。ただし、「有拍のリズム」でも間隔に長短がある「拍の伸縮」がよく見られるのが日本音楽の特徴です。西洋音楽のリズムは強弱で表現され正確さを求められるので、日本音楽は不正確に聞こえるかもしれません。しかし、日本音楽では、この伸縮を使えない人はむしろ初心者と見なされてしまいます。ここでは、越後杜氏(えちごとうじ)の酒屋唄を例に、2つの様式の違いを聞き比べてみましょう。

参考/新潟県「越後杜氏の酒屋唄」

酒屋唄は、酒造りの工程に合わせて蔵人(くらびと)たちが歌う唄です。越路町(こしじちょう)出身の杜氏は、『桶洗い唄』『米洗い唄』『仕込み唄』『数番唄』など9曲を伝承しています。唄には、(1)時間や数を計る、(2)厳寒の中の早朝から深夜に及ぶ辛い仕事の精神的支えとなる、(3)酒屋の主人が蔵で働く人の人物像を把握するなどの役割があります。


『二番櫂(にばんがい)』
『二番櫂』は、仕込み樽(しこみだる)の上部のふちに立ち、櫂棒(かいぼう)を樽の中の「モト」に入れてかき混ぜる時の唄です。


『桶洗い(おけあらい)唄』
『桶洗い唄』は、大桶を洗う時の唄です。竹をさいてつくったササラを上下に動かして、桶の木目に入り込んだ酒の残留物を落とします。

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