雅楽 GAGAKU

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作品と鑑賞

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地方の民謡を採り入れた庶民の生活感があふれる歌 伊勢海(いせのうみ)

あらまし

平成25年(2013年)3月2日 第72回雅楽公演 国立劇場小劇場 [出演]宮内庁式部職楽部

平調(ひょうじょう:西洋音楽のEの近似音高)を主音とし、律に分類される催馬楽(さいばら)の代表的な歌の1つです。

曲名の伊勢とは伊勢国[現在の三重県]を指し、常世(とこよ)の波がしきりに打ち寄せてくるところとされていました。歌詞に登場する「なのりそ」は海藻のホンダワラの昔の呼び名で、「玉」は真珠を意味しています。地方の庶民の農耕や漁猟を題材にした風俗歌(ふぞくのうた)は催馬楽でもよく取り入れられ、それらを歌うことは天皇への服従を意味していたともいわれています。

平安中期以降に盛行した御遊(ぎょゆう:天皇や上皇が主催した管絃の遊び)で頻繁に歌われるなど、平安貴族に人気の高い曲目だったのでしょう。中世に入り伝承が一時途絶えましたが、江戸時代に再興されました。

独唱者は手にもつ笏拍子(しゃくびょうし)で拍子をとり、笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・龍笛(りゅうてき)・琵琶(びわ)・箏(そう)が伴奏楽器として用いられます。

実際の展開(歌詞)

五拍子 拍子十</p>
詞章伊勢海の 清き渚に 潮間に 神馬藻や摘まん 貝や拾はん 玉や拾はん
                 意味
                 伊勢の海の 汚れのない清い海岸で 潮の引いている間に なのりそ(ほんだわら)を摘もう 貝を拾おう 玉を拾おう

鑑賞のポイント

短い歌詞のため反復演奏する場合もあり、その時には冒頭部の旋律に変更があります。

唐楽の『拾翠楽(じっすいらく)』のなかで、今日では伝わっていない楽章「破」の部分の旋律が転じたものとされています。『拾翠楽』にはかつては舞もともなっていました。

伴奏に用いられる楽器は、笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・龍笛(りゅうてき)の各1管と、琵琶(びわ)・箏(そう)、笏拍子(しゃくびょうし)です。

承和年間(じょうわねんかん:834~848年)の大嘗会(だいじょうえ:天皇が即位後初めて行う収穫を神に感謝するための祭)では、豊楽殿(ぶらくでん)の前に海浜に模して砂や小石を集め、樹木を植えて奏したといわれ、その様子は、まさに『伊勢海』の歌詞に描かれている世界だったと伝わっています。

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