雅楽 GAGAKU

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恐ろしい形相の面をつけ馬上から兵士を指揮するさまを表す舞 陵王(りょうおう)

平成14年(2002年)5月8日
 第52回雅楽公演 国立劇場 [出演]宮内庁式部職楽部

あらまし

左方で、舞台上を活発に動きまわる走舞(はしりまい)です。

中国・北斉(ほくせい:550~577年)の蘭陵王長恭(らんりょうおうちょうきょう)は、優れた武才とともに大変な美男子として知られ、部下がみとれるほどの容姿だったため、味方の兵士たちの士気を高めるよう、獰猛(どうもう)な仮面をつけて指揮をとったところ、兵士たちは鼓舞され次々と勝利をものにしていったと伝えられています。『陵王』は、それを祝して作られた曲だといわれています。

走舞(はしりまい)の代表的な演目で、右手に桴、左手に剣印(けんいん)という形で舞うこの舞は、武将が馬上で指揮をとるさまを表しているものだといわれています。

曲と舞の流れ

一具は、(1)「小乱声(こらんじょう)」、(2)「乱序」、(3)「囀(さえずり)」、(4)「沙陀調音取(さだちょうのねとり)」、(5)「当曲」、(6)「乱序」からなります。

前奏曲として龍笛(りゅうてき)と太鼓、鉦鼓(しょうこ)による「小乱声」から始まります。続いて「乱序」で舞人(まいにん)が登台し、舞台に登るときの所作「出手(でるて)」を舞います。途中、無伴奏になる「囀(さえずり)」という部分を挟み、次いで「当曲」の前の間奏曲として「沙陀調音取(さだちょうのねとり)」が奏され、演目の中心となる「当曲(とうきょく)」が舞われます。最後は龍笛と太鼓、鉦鼓による「乱声」となり、この間に舞人は舞台から降りるときの所作「入手(いるて)」を舞い退出します。

装束と面

赤系統を基調とした演目固有の装束である別装束で、中央に穴を開け首を通す裲襠装束(りょうとうしょうぞく)でも、勇壮な一人舞や二人舞で用いられることの多い、周囲を毛で縁どった毛縁装束(けべりしょうぞく)を着用します。

顔には、龍または金翅鳥(こんじちょう:想像上の鳥)を模し、舞人の動きにあわせて動く吊顎(つりあご)や動目(うごくめ)の仕掛けを持つ迫力ある面をつけます。右手には金銅製の桴(ばち)を持ち、大軍を前にした指揮官の威厳を表しています。

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鑑賞のポイント

省略なしに演奏する場合は全曲40分にもおよぶ大作です。舞楽のなかで、今日もっともよく上演される曲の1つです。とくに「出手」は長く、通常の「出手」とは異なり最初に奏される楽章「序」の性格をもった章となります。

才知武勇に秀でたといわれる実在の武将を表現する舞は、美貌を隠す恐ろしげな面、戦士を鼓舞する金銅の桴、細かな刺繍が施された紅の裲襠といった、華やかななかにも威厳のある装束や舞具もみどころとなるでしょう。

一具にある「囀」は省略されることも多い部分ですが、伴奏のない場面は、静けさのなかで舞われる姿がたいへん印象的です。

※別称は『羅陵王』、『没日還午楽(ぼつにちかんごらく)』、『大面』、『代面』とよばれています。

鉦鼓(しょうこ)

円形の鉦を木製の枠に釣りさげ、2本の桴(ばち)でするように打ち鳴らす打楽器。雅楽の打物のなかでただひとつの金属製の楽器です。

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