雅楽 GAGAKU

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コラム 『源氏物語』で紫式部が描く『青海波』

『源氏物語』のなかでも、舞楽の装束の美しさが印象深く描かれているのが「紅葉賀(もみじのが)」の段で光源氏が『青海波』を舞うシーンです。『青海波』の装束の品格のある美しさは、紅葉した木の葉とあいまって、美しい場面を作り出しています。

『源氏物語』で紫式部が描く『青海波』

袍には96もの千鳥が刺繍されている


袍をはじめ、甲の金具や太刀の鞘など細部まで波と千鳥模様が施されている

平安時代の文学では、さまざまな場面で雅楽が描かれています。なかでも、『源氏物語』は巻のタイトルに雅楽の曲名がつけられていることからも、王朝貴族の間で雅楽が親しまれていた当時のようすがうかがえます。

そのなかでも「紅葉賀(もみじのが)」の段で描かれる、秋の夕暮れ、光源氏が頭中将(とうのちゅうじょう)と二人で『青海波(せいがいは)』を舞うシーンは息をのむ美しさで、印象的な名場面といえるでしょう。

紅葉の季節、朱雀院(すざくいん:退位された天皇の住まい)で行われた一の院の50歳の祝いの席・紅葉賀でも、管絃や舞楽が奏されました。光源氏は頭中将とともに『青海波』を舞いました。その出来栄えは素晴らしく、「色々に散り交(か)ふ木の葉のなかより、青海波のかかやき出(い)でたるさま、いと恐ろしきまで見ゆ」と、赤や黄色に紅葉した木の葉がひらひらと散るなか、『青海波』を舞う源氏の君が輝かしく出てこられるお姿は、なんとも恐ろしいまでに美しく見えたと書かれています。

この『青海波』とは、舞楽の左方(さほう)の演目の1つで、2人で舞う平舞(ひらまい)です。舞は寄る波、引く波を表現しており、装束は『青海波』のみで用いられる別装束です。装束のすみずみまで波と千鳥が刺繍などで描かれ、舞具の太刀の鞘にまで波と千鳥が施されます。特に袍(ほう)には波を幾重にも重ねた青海波紋に、96羽もの千鳥がすべて異なる姿で刺繍され、舞楽装束のなかでもっとも美しい袍といわれています。

鮮やかに色づいた紅葉の木の葉と、光源氏が身にまとう袍の萌黄色(もえぎいろ)の美しいコントラスト、そしてこの装束の品がただよう美しさが、優雅に舞う光源氏の姿をいっそう輝かせたのではないでしょうか。

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