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音楽のしくみ 十二律と六調子

平安時代の王朝貴族たちは、唐代の精妙な音楽理論をある面では簡素化しながら、自分たちの感性にあわせて独自に深化させていきました。思想とも結びついた音律や調子などの唐楽の理論は、現在の雅楽にも受け継がれているのです。

十二律の日本化

調律をするための竹管「十二律管」

1オクターブのなかに12の音律を作り出す、三分損益法という中国の理論にしたがって、唐楽の音律は定められています。それぞれに固有の名称を持つ12の音の名を「十二律」とよびますが、平安時代に日本独自の名称へ代えられていきました。

12の音は半音の間隔で配置されますが、やはり1オクターブに12が並ぶ西洋音楽の平均律[周波数比で分割された音律]とは、音の高さがそのまま対応するものではありません。

六つの調子

唐楽における、旋律の型や節のめぐり方を調子と呼びます。調子の一つひとつには、それぞれ基準となる主音があります。この音を中心として旋律がめぐり、曲の最後もこの音で終止します。主音の十二律の名に「調」をつけたものが、その調子の呼び名となります。

管絃で奏される唐楽の曲目は、演奏の場ごとに1つの調子で揃えられることが基本です。「六調子」のなかから、どの調子が選ばれるかによって、その会の演奏における音階や節のめぐり方が変わり、管絃としての情趣も異なってきます。


現在伝承されている唐楽の調子は、以下の6種類で、これを六調子といいます。

○ 壱越調(いちこつちょう):壱越[西洋音楽のDの近似音高]の音を主音とする調子。絃楽器と管楽器で音階が異なり、不思議な音の重なりが見られます。

○ 平調(ひょうじょう):平調[西洋音楽のEの近似音高]を主音とする調子。御遊の頃から演奏される機会が多く、雅楽を習得する始めの頃から習います。

○ 双調(そうじょう):双調[西洋音楽のGの近似音高]を主音とする調子。明るい雰囲気で節がめぐり、壱越調から移調された曲がほとんどです。

○ 黄鐘調(おうしきちょう):黄鐘[西洋音楽のAの近似音高]を主音とする調子。篳篥の最も高い音と、笙の最も低い音がともに黄鐘のため、幅の広い音の響きが作られます。

○ 盤渉調(ばんしきちょう):盤渉[西洋音楽のBの近似音高]を主音とする調子。哀愁のある節まわしが特徴です。

○ 太食調(たいしきちょう):平調と同様に、平調[西洋音楽のEの近似音高]を主音とする調子です。


なお、高麗楽においても、唐楽に準じて調子が体系化され、高麗壱越調(こまいちこつちょう)、高麗平調(こまひょうじょう)、高麗双調(こまそうじょう)の3調子があります。同じ名前を持つ唐楽の調子よりも、基準となる音が二律高くなっています。双調と平調は西洋音楽の平行調と類似した関係にあります。

呂律(りょりつ)と六調子

六調子は、音階の違いから「呂(りょ)」と「律(りつ)」に分けられます。西洋音楽で例えると呂は長調、律は短調に近い雰囲気のものです。また、呂は中国的な感覚を残したもので、律は日本的な感覚にあわせたものともいわれています。

平安時代に成立した歌謡である催馬楽(さいばら)も、やはり呂律に分けられています。御遊(ぎょゆう)の管絃において、呂、律の楽曲が演奏される管絃の前後に、催馬楽も調子を合わせて歌われてきたからです。呂律の組み合わせとしては、双調と平調がもっとも好まれたようです 。


[六調子・呂律・主音の対応]

六調子 呂律 主音
壱越調
平調
双調
黄鐘調
盤渉調
太食調
笙(しょう)

ハーモニーを奏で、美しい響きを合奏に与える管楽器。何本かの竹を束ねた、鳥が羽を休めたようなかたちをしています。

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六調子

壹越調(いちこつちょう)・平調(ひょうじょう)・双調(そうじょう)・黄鐘調(おうしきちょう)・盤渉調(ばんしきちょう)・太食調(たいしきちょう)の6つからなります。呂を陽、律を陰ととらえることにより、陰陽思想とも融合し、呂の壹越調・双調・太食調と律の平調・黄鐘調・盤渉調にわけられます。

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主音(しゅおん)

それぞれの調子で基準となる音。主音を中心に旋律がめぐり、曲の最後はこの主音で終わります。

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呂(りょ)

調子を旋法や節回しの違いによって2つに分類したうちの1つ。呂(りょ)は壹越調(いちこつちょう)・双調(そうじょう)・太食調(たいしきちょう)の3つからなります。陰陽思想と結びつき陽と解釈されています。

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律(りつ)

調子を旋法や節回しの違いによって2つに分類したうちの1つ。平調(ひょうじょう)・黄鐘調(おうしきちょう)・盤渉調(ばんしきちょう)の3つからなります。陰陽思想と結びつき陰と解釈されています。

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御遊(ぎょゆう)

平安時代、宮廷貴族たちが集い楽しんだ管絃の遊びのなかで、天皇や上皇などが主催したものを指します。御遊は、朝廷の行事や貴族の通過儀礼をはじめ、四季の催しのなかで奏され、貴族の生活に欠かせないものの1つでした。

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