雅楽 GAGAKU

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コラム 清少納言と篳篥

篳篥は清少納言が『枕草子』で疎(うと)んだことから、日本人の嗜好に合わない楽器のように言われることもあります。しかし、コンディションの維持が難しいこの楽器が、現在まで伝わっていること自体、日本人好みの楽器であることを物語っているといえるでしょう。

貴族が好んだ管絃楽器

『枕草子』の著者として知られる清少納言(せいしょうなごん)が生きた時代は、まさに雅楽が盛行した時代でした。

平安時代の王朝貴族にとってたしなみの1つとされた管絃の場で、好んで演奏された楽器は、笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)、琵琶(びわ)、琴(こと)、箏(そう)、和琴(わごん)と限られていました。なかでも、笙、篳篥、龍笛は独特の響きを奏でるものとして、特に親しまれていたようです。

『枕草子』で語られる清少納言の好みとは

『枕草子』で笙や龍笛の音色を「いとをかし」と評する清少納言ですが、篳篥については、次のように評しました。

「篳篥はいとかしがましく、秋の虫といはば轡虫(くつわむし)などの心地してうたてけぢかく聞かまほしからず。ましてわろく吹きたるはいとにくき……。」

笙や龍笛の雅(みや)びな音色を愛(いと)おしむ態度が一転、篳篥については「轡虫などの心地して」と述べ、下手な演奏については「いとにくき」とまで述べています。そのため、篳篥は日本人好みではないといわれることもありました。

しかし、平安中期までに、貴族の好みや日本の風土に合わず失われた楽器が多いなか、篳篥は、現在に至るまで千年以上も伝えられている楽器です。演奏前には、必ず楽器本体である管と、廬舌(ろぜつ)という葦(あし)で作られたリードの密着を強めるために、廬舌に巻き付けた和紙を、お茶などで湿らせなければならず、コンディションの維持が難しい繊細な楽器なのです。

このような楽器が、現在まで伝わっているということ自体、日本人の好みに合い、演奏にスケール感を生む主旋律を奏でる篳篥の音色が雅楽に不可欠だったことを物語っているといえるでしょう。

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