文楽編 仮名手本忠臣蔵 Kanadehon Chushingura

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ひもとく 深める 名場面をひもとく

九段目 槍で突かれた本蔵の述懐自分の計画が、槍で突かれることを含めて思い通りに運んだ本蔵は、傷を負った人間にはありえない笑い方をします。これは人形が演じてこその演出で、本蔵の人物としての大きさや心理、武士という存在の哀しさまでも、皮肉な笑いにより表現しているのです。

本蔵苦しさ打忘れ「ハヽヽヽウム、ハヽヽヽ、ウムハヽヽヽアしたり〳〵。計略といひ義心といひ、かほどの家来を持ちながら、了簡もあるべきに、浅きたくみの塩谷殿。口惜しき振舞ひや」

聴きどころ

太夫の語り

加古川本蔵(かこがわほんぞう)が手負いになってからは、慈愛の心を底流として、専ら情に訴えますが、甘くなってはなりません。ここは手負いで、大きく呼吸する時の苦痛を交えた笑いを、技巧的に聞かせます。

三味線

本蔵の激しく一途な、娘への愛情のほとばしりを、一撥一撥を引き締めて手強く表現します。

見どころ

人形の動き

手負いとなってからも、本蔵の年齢や風格、さらに人間としての幅を、ごく少ない動きで表現します。「笑い」では、大きく呼吸する際の苦痛をわずかに見せます。「浅きたくみの塩谷殿」で顔を上げた視線には、事と次第によっては、自分と由良助の立場が替っていたかもしれないという思いが、皮肉な虚無感として漂っています。

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