文楽編 仮名手本忠臣蔵 Kanadehon Chushingura

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三段目 裏門の段(うらもんのだん)

コラムをよむ

早野勘平は、顔世御前の文使いを口実に会いにきた恋人のおかると、つかの間の逢瀬を楽しんでいましたが、その間に主人の塩谷判官が大変な事件を起こしていたことを知って愕然とします

おかるとの逢瀬の最中、御殿の騒ぎを耳にした早野勘平(はやのかんぺい)が裏門まで駆け戻ると、すでに塩谷判官(えんやはんがん)は閉門を命じられ、罪人の乗る網乗物で屋敷へ戻された後でした。恋ゆえに、主君の大事に居合わせなかったことを恥じた勘平は、腹を切って詫びようとします。追いついたおかるに説得され、ひとまずおかるの京・山崎の実家へ身を寄せることにしました。塩谷家の国家老・大星由良助(おおぼしゆらのすけ)に詫びを入れようと考えたのです。勘平は行く手を阻む鷺坂伴内(さぎさかばんない)を追い散らし、主君の身を案じながらも山崎へと急ぎます。


コラム 「おかる」という名の女性

七段目:祇園一力茶屋の段
遊女となったおかる

おかるは、恋人・早野勘平を郷里に連れ帰り、武士として面目の立つようにとはからう一途でけなげな女性です。しかし、勘平に逢いたい一心で、その夜持って来ずともよい文箱(ふばこ)を届け、塩谷判官刃傷の導火線となってしまいました。もちろん、彼女はその責任に気づいてはいません。殿中騒動の直前には、せっかくうまく会う機会をつくったのだから、ほんの短い間でも逢瀬を楽しみましょうと勘平を木蔭へ誘うのもおかるなのです。彼女は、山崎の里育ちで田舎暮らしを嫌い、自ら望んで塩谷家へ奉公した、常に行動的で切り替えも早く、身のこなしの「軽い」女性なのです。浄瑠璃本文には、「ぐわら娘[お転婆娘]」とあります。歌舞伎俳優の6代目尾上梅幸(おのえばいこう)は、「お軽はモダンガール」と表現しました。

おかるのモデルは、史実の浅野(あさの)家家老・大石内蔵助(おおいしくらのすけ)が京・山科に囲っていた愛妾(あいしょう)で、京二条寺町二文字屋次郎左衛門(にもんじやじろうざえもん)の娘・阿軽(おかる)ともいわれています。ともあれ、恋に大胆で一途でかわいらしい、女性の一典型であったかもしれません。

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