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作品の概要

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  • 鑑賞のポイント
  • 詞章・語釈

第六 釣船三婦内(つりふねさぶうち)の段

第六:釣船三婦内の段に使用する小道具

『夏祭浪花鑑』第六:釣船三婦内の段に使用する小道具

第六:釣船三婦内の段

高津神社(こうづじんじゃ)の宵宮(よいみや)の祭囃子(まつりばやし)で幕が開きます。祭提灯、祭料理の魚を焼く鉄弓などが効果的に使われ、大坂の夏の風情が最もよく描かれた場面といえます。

釣船三婦(つりふねさぶ)には、老いたりとはいえ、侠客(きょうかく)としての凄味(すごみ)と風格、そして人生の酸いも甘いもかみわけた度量の深さが表れています。一寸徳兵衛(いっすんとくべえ)の女房・お辰(おたつ)は、黒地の絽(ろ)の薄物の着付けで、爽やかな色気をかもしだします。お辰は侠客の女房としての意地を貫き、焼けた鉄弓を美しい顔に押し当てます。とはいえ、焼けただれた顔を盆に映してみるしぐさには女心が表れています。「イヤナニ三婦さん」とお辰が膝に手を置いて三婦を見込む場面には、意地を通す女の気迫がこもります。客席に背を向けた形で、体をねじる「ネジ」の型で、相手に詰め寄ります。

意地にかけて詰め寄るお辰を説得する三婦の言葉は、人情味ある老侠客として本領を発揮する場面で、聞きどころです。老侠客の気配りには、彼ら侠客の「一分をたてる」ことに対するこだわりが見られます。三婦には「釣船」と呼ぶを使います。これは目と目の間隔が広く、鼻も口も幅広く、その肉付きに一徹な性格が表れています。段切[一段の終わりの部分]は「長町裏」に続く展開の緊迫感を語り生かします。

鉄弓(てっきゅう)
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魚を焼く調理器具。本来は、金属の枠を格子のように組んだ台の上に魚を乗せて焼く。人形浄瑠璃『夏祭浪花鑑』「釣船三婦内の段」では、焼き串と考えられる。

ネジ
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人形の動きの型。体を捻じって、相手を見込む動作。

一分をたてる(いちぶんをたてる)
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自身の面目をたてること。責任を果たすこと。

首(かしら)
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人形のくびから上。性別・年齢・階級・性根に応じて分類された約40種類の首がある。その他、原則として1役にしか使わない特殊な首が30以上ある。太夫の語り口や、描き出される人物像に応じて使い分けられる。従って、太夫も首の性格を知り、それを意識する必要がある。人形遣いの解釈や演出で変わることもある。


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