『葵上』を鑑賞する

  1. 『葵上』
  2. 『葵上』を鑑賞する
  3. 出立
  4. 後シテ・鬼相の六条御息所の生霊

後シテ・鬼相の六条御息所の生霊

般若 鱗摺箔 打ち杖 緋長袴 長鬘 前シテ

般若(はんにゃ)

嫉妬のあまり蛇に変身する過程ながら、人間の心を残した女性をあらわした面です。『道成寺』『黒塚(くろづか)』にも用います。2本の角を持ち、眉をしかめ、牙をむく表情は、激しい嫉妬、怨念、悲しみを表しています。彩色(さいしき)の違いにより白般若、赤般若、黒般若と細分化されており、品格と強さに差があります。『葵上』の後シテは身分の高い女性であるため、最も格の高い白般若が用いられます。

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鱗摺箔(うろこすりはく)

無地の平絹(ひらぎぬ)や綾(あや)という生地に金または銀で細かい模様をつけた小袖を摺箔といい、着付(きつけ)[内側に着る衣装]に用います。様々な色、模様があり、鱗(うろこ)[三角形をならべた模様]の摺箔を特に鱗摺箔と称します。般若の面を掛ける役や竜女(りゅうにょ)の役に用います。

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打ち杖(うちづえ)

70センチメートル程の細い竹を、金を織り込んだ緞子(どんす)という布の袋にくるんだもので、同じ布を用いて、先端に丁字形(ちょうじがた)、側面の先端寄りにノの字形の突起が付けてあります。竜神(りゅうじん)や悪鬼(あっき)の役、あるいは般若の面を掛ける役などが手に持つ道具です。

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緋長袴(ひのながばかま)

裾の長い緋色(ひいろ)の袴です。宮廷女性の長袴を能装束に取り入れたものです。『葵上』の特殊演出のほか、観世流の『道成寺』の小書(こがき)「赤頭(あかがしら)」や宝生流の『草紙洗(そうしあらい)』の「乱拍子(らんびょうし)」など、ごく限られた場合にのみ用います。

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長鬘(なががつら)

長髢(ながかもじ)とも言います。2メートル程ある長い髪を三つ編みに編んだ付け毛で、通常の女性役がかぶる鬘の先に結びつけて背後に垂らします。立ち働くときは毛先を手に持つか袂に入れます。

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