歌舞伎舞踊の作品と表現

作品概要

通称 鏡獅子
本名題(ほんなだい) 春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)
初演年度 明治26年(1893年)
音楽 長唄
題材による分類 石橋物

前段は可憐(かれん)な娘、後段は勇壮な獅子になる踊りです。1人の演者が娘と獅子の両方を踊り分けます。場面は千代田城[江戸城]の大奥、御小姓(おこしょう)の弥生が広間に連れて来られます。弥生の仕事はお茶を給仕する係で、その稽古(けいこ)の途中だったため、帯にはお茶を点てる時に使う袱紗(ふくさ)がさし込まれています。将軍様にお辞儀をして弥生は踊りはじめ、盆踊りを取り入れた手踊りや2枚の扇を使う踊りなど、さまざまな小道具を使い品良く踊っていきます。

手にした獅子頭(ししがしら)に魂が入る部分は見どころの1つです。弥生を演じる演者が獅子頭を扱い、それが勝手に動き出しているという表現をするのです。1人の演者の体の中に、「驚いて広間に戻ろうとする弥生」と「弥生を引っ張っていく獅子頭」の2つがせめぎ合う、という表現に迫力があります。弥生が引っ込むと、2人の女の子が羯鼓(かっこ)や鈴太鼓(すずだいこ)を使って踊るリズミカルな「胡蝶の踊り」になります。やがて勇ましい獅子の精が現れ、胡蝶の精と戯れ(たわむれ)ながら長い毛を豪快に振ります。

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